アスリートカフェ カフェオーナー 伊藤数子

  今朝も元気に開店

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次代へ

越後の智将、直江兼継は、幼い頃母にいわれる。
「木は厳しい冬を乗り越える為、力を蓄えねばなりません。紅葉が散るは、そのため。燃え上がるようなあの色は己の命より大切なものを守る決意の色。そなたは紅葉の様な家臣になりなさい・・・」

2年半ほど前、南青山の事務所(バブリ~!)に引っ越したとき、仲良くしてもらっているシンクタンクの社長の内田さんから背の高いゴムの木をいただいた。2年間、南青山で元気に暮らした。今年の夏、恵比寿へ事務所移転の際、「まだまだ元気だ。さすが内田さんの木だ。新事務所に一緒に行こう」と言って、一緒に引っ越した。

すると新居にて、ものすごい勢いで育ち始めたのだ。余程この環境がお気に召したらしい。引っ越して心機一転の我々も、縁起がいい、と大喜びだ。せっせと水をやって楽しんで成長を見守った。ところが、あまりの勢いで、2ヶ月ほどで、すぐに天井につっかえてしまった。これは伸び盛りの子の頭を押さえるようでよくない。階段の踊り場風のところや、縁側風のところに移動させてみたりいろいろしたがなんだかおさまらない。さてどうしたものか、と思いあぐねていたある日、目の前で古い深い緑色の葉が一枚、はらりと落ちた。

翌日出社すると、また一枚、落ちている。その日以降、新しく伸びた部分より下の古い葉が、一枚、また一枚と落ちていった。日によっては三枚ほど、床に落ちている。

施術前
上部の薄い緑色が2ヶ月で伸びたところ。3本の木のうち右側の2本には古い葉が一枚もない。

伸びた部分
伸びた部分

こうして、古い葉はみるみるうちになくなってしまった。新居にて芽生えた新たな生命へと引き継ぐため、濃い緑の葉たちは自ら役割を終わらせ、離れていったとしか思えない。ゴムの木の命の営みを見て感動せずにはいられなかった。毎朝、真っ先にここに来て、床に落ちている古い葉を拾うと涙が出た。手にとって心からお礼を言って、処分した。社員には「歳とって涙もろいぜっ」、ということがばれないよう、この作業はこっそり速やかに行なった。10月末のことである。


さて年末を迎え、この大切な生命の続きをどのようにすべきか。考えた末、若いものたちと新たな年をともに歩むことに決めた。後輩に引き継いだ先輩たちも本望であろう。

切断
新しい部分を切り取る


切断後
役割を終えた

新たに
来年へと新たな道を歩みはじめた若い葉たち

兼継の母の紅葉は厳冬を越す木のために散った。私たちのゴムの木の葉は次の世代のために落ちた。次代へと何よりも大切なものを渡す尊い営みを見せてくれたゴムの木に、(あっ、それと内田さんにも)最後にまたお礼を言ってお別れした。今年もあと一週間だ。


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  1. 2009/12/26(土) 01:18:52|
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